競馬用語辞典 か行

競馬用語辞典

か行 競馬場語辞典

外厩(がいきゅう)
 トレーニングセンターの外にある厩舎という意味だが、中央競馬において調教師は競馬会よりトレセン内に一定数の厩舎(馬房)を貸与されていて、それ以外には厩舎をもてないことになっている。ただ、管理する馬の数は貸与されている馬房数より多いため、故障馬や疲れのたまった馬など育成牧場などに預け、馬の入れ替えを図っており、厩舎によっては同じ育成牧場を使うため、その牧場のことを「うちの厩舎の外厩」などと呼んでいる調教師もいる。
外厩制、認定厩舎(がいきゅうせい、にんていきゅうしゃ)
 調教師が貸付馬房とは別に一定の要件を満たす民間の育成施設等の馬房を利用できる制度。大井競馬における境共同トレーニングセンター、ホッカイドウ競馬におけるビッグレッドファームや社台ファームなどがこの制度によって外厩と認定されている。従来、放牧に出た場合はレースの4日前までに所属する競馬場に入厩する必要があったが、開催日当日に育成施設から競馬場に輸送してレースに出走させることが可能となった。この外厩制度を利用して調整されたコスモバルクが03~04年にかけて中央で大活躍(中央出走の場合は10日前までに所属競馬場に入厩することが条件)。中央3連勝で弥生賞を制し、皐月賞でも2着している。
カイ食い(かいぐい)
 馬の食欲のこと。「カイ食いが良い(悪い)」というように使われる。カイ食いが良すぎると馬体が絞り切れず太目になるし、またカイ食いが悪いときは体調に問題がある場合が多い。カイ食いが良くビシビシ追える馬は仕上げやすいが、神経質な馬はカイ食いが細く(悪く)なることが多く、厩舎関係者は牝馬のカイ食いには絶えず気を遣っている。
外向(がいこう)
 馬が起立しているときの四肢の状態を肢勢といい、前から見て前肢が真っ直ぐなのを正肢勢という。これに対し足先が外を向いているものを外向肢勢といい、これを一般に「外向」といっている。逆に内に向いているのを内向肢勢といい、「内向」といっている。
戒告(かいこく)
 レースやその前後の過程で、公正かつ安全な競馬に対する注意義務を怠った騎手または調教師に課せられる制裁のひとつ。制裁の中では最も軽いもので、過怠金を徴収するにはいたらず、口頭で厳重に注意されるもの。
外国産馬(がいこくさんば)
 中央競馬ではマル外印のついた馬で、外国で生まれた馬をいう。ただし、日本軽種馬登録協会の繁殖登録を受けており、種付けのため外国に一時的に輸出された牝馬の産駒であって、日本で種付けされ外国で生まれたもので、当歳の12月31日までに輸入されたものはマル外としない、と一般事項に定められている。昭和46年活馬の輸入自由化実施にともない、競走上いろいろ制限を受けることとなり、競走番組でマル混と指定された競走以外には出走ができない。しかし、ここ数年で競走体系が変わり、すべてのG1に出走できるようになった。
飼葉(かいば)
 馬(競走馬)の食糧のことで、主にえん麦のことだが、青草、乾草、にんじんなど添加物を含めて“カイバ”といっている。
返し馬(かえしうま)
 レースの始まる前にパドックから馬場にでてきた馬が、発走までの10~20分ぐらいの時間に軽いウォーミングアップを行う。このことを返し馬という。ダクからキャンターに移るときの脚捌きや、動きで状態の良し悪しを見極めている人もいるが、馬によって返し馬の強弱は異なり、気性の激しい馬などはほとんど返し馬をせず、馬場の隅でジッと発走を待ち、落ち着かせることに専念している馬もいる。このように返し馬で速く駆けていれば好調と決めつけられず、気合のない馬などに競走意識を持たせるための準備運動と考えたい。
確定(かくてい)
 競馬はゴールインして掲示板に着順が出たら、それで着順が決定というわけではない。入着馬の騎手は後検量を受け、規定以上の増減量がなかったかを検査し、さらにレースが公正に行われたか、進路妨害などの事故がなかったかなど確かめたあと着順確定の運びとなり、着順表示板の上の赤ランプが点灯される。
角馬場(かくばば)
 調教コースの内側に作られた小さな馬場で、周囲や走路を柵で囲った1周200~600メートルほどのコース。入厩間もない馬の初期の調教や気性の激しい馬の軽い追い運動に使われることが多いが、追い切る前のウォーミングアップにこの角馬場を利用している馬もかなりいる。
鹿毛(かげ)
 毛色のひとつで被毛は栗毛の帯赤褐色か帯黄褐色で、長毛(たてがみ、尾など)および肢端は濃淡にかかわらず黒色であるもの。
化骨(かこつ)
 馬の成長に関する言葉で、骨組織の生成されたことを化骨と言っている。「化骨が遅れている(進んでいる)」というように使われ、強い調教ができるかどうかなど化骨の進み具合で決められるようだ。満3歳ぐらいでできあがるとされているが、個体差もあり化骨の遅れている馬などは調教段階で故障が出たりすることも多い。
ガサ
 馬格のことで「ガサがある(ない)」という使われ方をしている。当然大きな馬のことをガサがあると言うわけで、嵩(かさ)という言葉がなまったのかも知れない。また、ガタイという言葉を同じ意味で使っているが、厩舎独特の言い方である。
貸服(かしふく)
 日本中央競馬会が一時的に貸す勝負服のこと。馬主が登録している服色(勝負服の色柄)を使用して騎乗できない場合は服色変更を願い出て、裁決委員の許可を得て貸服を使用することとなっている。色は帽色(連番)と同じ色が基調となっている。
粕毛(かすげ)
 一般に暗灰色であるが白い刺し毛が混じっている毛色のこと。つまり頭部、四肢の下部および長毛(たてがみなど)は原毛色であるが、その他の部分に白色毛が混じっているものである。原毛色の違いによって栗粕毛、鹿粕毛、青粕毛などと区別されている。
ガス腹
 風気疝といわれる病気で、さくへき馬(俗にグイッポと言われ、空気を呑み込む癖で、馬栓棒などの突出物に門歯をかけ支点を求めて空気を呑み込むものが多い)に発生しやすい。原因としては粗剛な飼料、発酵性飼料の過食や運動不足などがあげられている。
過怠金(かたいきん)
 騎手、調教師、馬主、厩務員などが競馬施行規定に違反した場合に徴収される制裁金で、金額は違反行為の程度や事情によって異なるが、平成17年1月より、従来の最高10万円に該当する違反行為には騎乗停止2日を科す、などペナルティを強化。また、騎手に対する制裁を事例に応じて更に細分化された。
硬口(かたくち)
 騎乗者の意志を馬に伝えるひとつがハミだが、そのハミの操縦に抵抗したり、ハミを通して伝える騎乗者の命令に従順でない馬を硬口と言う。「口の硬い馬」とか、「ハミがかりの悪い馬」と言うのも同じで、調教やレースで騎乗者の意に反して頭を上げたり、引っかかったりする馬のこと。
ガフ
 陰門吸引症のこと。膣の中に空気が出入りし、そのため音を発する。その音の感じから通称“ガフ”と呼ばれている。音を発するからといっても体裁が悪いくらいで別に支障はないが、膣口を縫合する手術で簡単に治るようだ。
壁(かべ)
 レース後に騎手の話の中に「直線入り口で壁になって…」などと使われるように、自分の進路の前に馬が並んでいるため出て行くコースのない時に壁になると言っている。脚を余して負けたときなどによく使われる言葉。
噛む・噛まれる
 調教時において併せ馬で先着することを“噛む”、先着をゆるすことを“噛まれる”と言っている。しかし、本来“噛む”、“噛まれる”は強いと思われる馬(格上馬)が弱いと思われている馬(格下馬)に遅れた場合のように、予想される逆の状態になった時に使われる言葉で、強い馬が順当に先着したような時“噛む”とは言わないものだ。
カラ馬
 レース中に騎手が落馬して、騎手を乗せずに走っている馬のこと。逸走したり、競走を中止する馬もいるが、そのままレースに参加する馬もいて「カラ馬に絡まれて」とか、「カラ馬が邪魔になって」などと言われるように、カラ馬がいることで不利を受ける馬も多い。
仮柵(かりさく)
 芝コースにおいて芝の保護のために設けられる柵のことで、内ラチから5メートルとか10メートルとか一定の距離に置かれる。以前は発馬地点が一定だったため仮柵をおくと助走距離が長くなるため、速いタイムが出やすく公式記録とならなかったが、現在は“移動柵”と呼ばれ、ゲート(発馬機)の移動によって一定の助走距離が保てることもあって走破タイムは公式記録とされ、レコードタイムも認められている。
ガレる
 馬体が細くなったり、毛艶が冴えなかったりして元気のない状態のこと。見た目に肉づきが落ちているようなときに使われる。東北や北海道ではげっそりすることをガオるという地方もあり、その辺が語源と思われる。
変わり身(かわりみ)
 休養明けやレース間隔を開けたあと1度レースを使ったことによって、状態がはっきり良くなり次のレースで好走した(レースぶりが変わる)時「変わり身を見せた」という。1度レースを使うことによって、レース勘を取り戻し2戦目で実力を発揮するという例はよくあることだが、休養明け2戦目というだけで変わり身が期待され人気になることも多いようだ。また、新馬戦、障害入り緒戦のあとなどにも変わり身……は使われる。
管囲(かんい)
 体高、胸囲とともに、馬の大きさ(馬格)を測る基準のひとつで、前脚の膝と球節の中間の周囲のこと。平均18~20センチが普通で、馬体は四肢によって支えられるので細いよりは太い方が丈夫といえる。体重が500キロを超える馬も年々増えており20センチを超える馬も多い。測尺の際は通常左前脚を測る。
雁行(がんこう)
 一般的にはガンの行列の意から斜めに並んでいくことだが、競馬用語においては先行馬が先を争って数頭で並んで走っているようなときに「雁行している」という。実況放送などでよく使われているが、併走と区別しているアナウンサーもいるようだ。
カンカン
 負担重量のこと。負担重量とはヘルメット、鞭を除いて騎手をはじめ馬の装具など競走馬の上に乗るほとんどの目方のこと。騎手の負担重量を計量する検量室のことをカンカン場と言うが、“貫を看る”場所から貫看(かんかん)場というのが語源とされている。カンカン泣きという言葉があるが、斤量に敏感で重い負担重量を苦にする馬のことをいう。
カンパイ
 スタートのやり直しのこと。外人スターターが発走やり直しの時「カムバック」と言ったのを聞き違えカンバイ、それが転じてカンパイになったと言われている。
関与禁止(かんよきんし)
 競馬施行規程第138条に規定されている馬主、調教師、騎手、調教助手、騎手候補者、厩務員に対する処罰の一種。この処分を受けると、一切競馬に関係できなくなる。競走馬の血統を証明する書類を偽造・変造したり、不正に行使した者、など13項目がその対象となっている。
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